どんな場合に体外受精(IVF)を検討する?
なかなか妊娠しないからといって、すぐに体外受精(IVF)を始めるとは限りません。自然妊娠をもう少し試したり、排卵誘発や人工授精(IUI)などを先に検討したりする場合もあれば、最初からIVFが適している場合もあります。治療方法は、年齢、不妊の原因や期間、卵巣予備能、卵管の状態、精液検査の結果、これまでの治療結果などを総合的に考えて決めます。どんな場合にIVFを検討する?1. 両方の卵管が閉塞している、または大きく損傷している場合両方の卵管が閉塞していたり大きく損傷していたりして、卵子と精子が自然に出会うことが難しい場合には、体外で受精させるIVFを検討することがあります。2. 精子の数や運動性などに大きな問題がある場合精子の数や運動性などから自然妊娠や人工授精での妊娠が難しいと考えられる場合、IVFを検討することがあります。必要に応じて、1個の精子を卵子に直接注入する**顕微授精(ICSI)**を行う場合もあります。ただし、精液検査の一つの数値だけでIVFやICSIが必要かどうかを決めるわけではありません。3. ほかの不妊治療で妊娠に至らなかった場合タイミング法、排卵誘発、人工授精などを行っても妊娠に至らない場合、次の治療としてIVFを検討することがあります。IVFへ進む時期は、年齢、不妊期間や原因、これまでの治療結果などによって異なります。4. 子宮内膜症が妊娠に影響している場合子宮内膜症があっても、すべての人にIVFが必要なわけではありません。子宮内膜症の程度、卵巣や卵管の状態、年齢、卵巣予備能、これまでの治療結果などによってIVFを検討することがあります。5. 排卵障害があり、ほかの治療で妊娠に至らない場合PCOSなどによる排卵障害では、まず排卵誘発などを行うことがあります。それでも妊娠に至らない場合や、ほかの不妊要因もある場合にはIVFを検討できます。6. 原因不明不妊の場合検査をしても明らかな原因が見つからない場合にも、IVFが選択肢になることがあります。ただし、原因不明不妊だからといってすぐにIVFが必要というわけではありません。年齢、不妊期間、これまでの治療結果などを考慮します。7. 着床前遺伝学的検査が必要な場合特定の遺伝性疾患が子どもに受け継がれる可能性がある場合、IVFで胚を作り、**着床前遺伝学的検査(PGT)**を行うことがあります。適応については遺伝カウンセリングや専門的な評価が必要です。8. 治療前に妊孕性を温存する必要がある場合抗がん剤治療、放射線治療、一部の手術などは将来の妊孕性に影響する可能性があります。治療開始前に卵子を採取して凍結したり、受精させた胚を凍結保存したりする方法を検討できます。不妊検査はいつ受ける?明らかな不妊リスクがない場合、一般的には女性が35歳未満なら12か月、35歳以上なら6か月妊娠を試みても妊娠しない場合に不妊検査を始めます。40歳を超える場合や、不妊につながる可能性のある病気や状態がある場合には、より早い評価が適切なことがあります。IVFを始めるタイミングは人それぞれIVFを始めるまでに全員が同じ治療を順番に受ける必要はありません。ほかの方法を先に試せる人もいれば、IVFを早めに検討したほうがよい人もいます。不妊の原因、年齢、これまでの治療結果、今後の妊娠希望などを踏まえて治療方針を決めることが大切です。